5年前イタリアのシチリア島を旅しました。
道中、“陶器の街カルタジローネ”を訪れた時に深く印象に残った風景を描いたのがこの作品です。
昼食後見晴らしのよい高台の広場に行きつき、ふと立ち止まった時、暖かい初春の光に照らされた古街の光景に眼を奪われました。立っていた高台から下っていく階段、そこから続くレンガ道、その道を挟むように両側に建つ建物の佇まいは私を魅惑しました。まるでそれらが音楽を奏でているようでした。
さらに遠くを見やると大きなドームや教会が点在していて、まさにイタリアの古都を感じました。
構図や濃淡などを直しながら下絵を描き漸く4枚目でこの作品を仕上げることができました。この街で触れ、感じた空気を表現出来たと思います。
栄誉ある国際墨画会準大賞を受賞できたのは、ひとえに、何年もの間、作品を作るということについて丁寧に教えてくださった先生方のお陰です。この場をお借りして感謝申し上げます。
今後一層精進し、より良い作品を創作していきたいと思います。
森一雄
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